グッドイヤーウエルト製法とリーガル

昨日も書いたように、グッドイヤーウエルト製法は、はっきり言ってめちゃくちゃ手間がかかります。

見た目だけ同じならセメント製法の方が遥かに簡単に安く作れます。熟練した職人もいりません。そして、利益も取れます。

だから、世界的に見てもグッドイヤーウエルト製法の工場って少ないんです。個人の工房でグッドイヤーウエルトを作るとかそういったものはあるものの、そこそこ大きな規模の工場はどんどん減っています。だからリーガルみたいに大手でグッドイヤーウエルト製法にこだわっている会社というのは実を言うと絶滅危惧種なんです。

ちなみに、世界で一番グッドイヤーウエルト製法の靴を作っているのはリーガルです。

キンキーブーツというイギリス映画があります。かなり面白い映画なんですが、イギリスのグッドイヤーウエルト製法にこだわって作っている靴メーカーが倒産の危機に瀕して、とある人達向けの特殊なブーツを作るという話です。私はけっこう感動しました。

その映画の序盤に、その靴メーカーの社長である主人公が卸業者と交渉をする場面が出てきます。

卸「ブローグ靴(フォーマルな甲飾りのある靴)1200足が余っているんだ」

主役「以前、君の父上が原価で買ってくれて…」

卸「何年か前のことだろ?状況が変わったんだ」

卸「まあ、いいよ。200足引きとるよ。昔のよしみだ」

卸「うちが君の工場を救済するなんてね…」

卸「救済って言うと偉そうに聞こえるかな?」

棚から靴を出しながら

卸「これはスロバキア製だ。いったいいくらだと思う?」

主役「ハリー、うちのは一生ものだぞ。こんなのじゃ10ヶ月も持たない」

卸「そうさ」

卸(薄笑いしながら)「好都合だろ?」

主役(ため息)

…ああ、この場面。

そのまま今現在の日本でも有りうる光景です。

いや、ことは靴だけに限らないかも。

かなり身につまされる映画です。

「お客様の要望」が「安さ」だけなら仕方が無い話です。

でも本当に安ければいいのでしょうか?

持って1年の靴が5000円~1万円と、日本製できちんと底が2重で縫いこんであって、(少なくとも)2~3年持ち(きちんと手入れすれば10年でも!)、周りからも自分でもブランドであることを意識できる靴が2万円強から

あなたはどちらを買いますか?

どちらが正解ということはありません。考え方はいろいろですから。

私たちは私たちの「お客様のご要望」にお応えするようにしていきたいと思います。

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